【テーマ】迷惑をかけるとは

    政治家や芸能人やスポーツ選手など知名度の高い人について汚職や犯罪だけでなく、不倫や失言やSNSでの発言など私的な言動についてのゴシップ（知っている人の噂話）をテレビのワイドショーや週刊誌やイエローペーパー紙が興味本位に報じるのは、マスメディアの発達と共に見られるものです。インターネットやSNSが普及した昨今は対象となる人が有名・無名を問わず、事実か否かを問わず、人格的な非難や中傷誹謗や辞職や引退や謝罪を要求する書き込みが殺到する「お騒がせ」が起き、さらに「お騒がせ」についての責任を問うなど輻輳します。

    この時に「世間を騒がせた」とか「所属政党や世間を騒がせた」というフレーズも気になりますが、「迷惑をかけた」と非難し謝罪することがあります。個々の事例にもよりますが、一体誰が誰に迷惑をかけたのか、誰が誰を非難しているのか、非難している人は非難する資格や立場なのか、その非難は正しいのかとモヤモヤしているうちに、この「迷惑行為」を撲滅する風潮に対して、迷惑をかけること自体は倫理的に悪とされる規範になってはいないかと気になりだしています。