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哲学カフェ「瀬戸芸、行った?行く?行かない?」開催報告

イベントレポート

こんにちは、まつかわです。

8月の岡山の哲学カフェは、参加者の「岸井さんと瀬戸芸(瀬戸内国際芸術祭)について話したい!」というリクエストにおこたえし、「瀬戸芸、行った?行く?行かない?」を取り上げました。

ゲストの岸井大輔さんと、瀬戸芸のマップ色々。

このテーマなら、私のように瀬戸芸に行ったことのない人でも話せるかなと思ったのですが‥‥、開始早々、この問いは予想外に複雑であることが判明します。

瀬戸芸の作品を観たことのある方から、「作品1つしか観てないから『行った』と言っていいものかどうか‥‥」。4泊5日してきたという岸井さんですら、「200以上ある作品のうち、30足らずしか観ていないから、『行った』と言い切りにくい」という声。

一方で、「作品は1つしか観てないけれど、島でおいしいものを食べたり友だちと楽しい時間を過ごしたりして、瀬戸芸を満喫した!」という方も。

いったいどんな条件を満たしたら「瀬戸芸に行った」と言えるのか、思わぬ哲学的な問いが見つかりました。

 

この日のおやつは、ミニどらやきとおかきです。

その後、前半は瀬戸芸の期間や開催地、「国際芸術祭」と「トリエンナーレ」のちがい、参加者が観た作品など基本情報を押さえつつ、来場者の視点から、観光とアートの関係、交通や料金設定について意見が交わされました。作品が島々に分かれていて複数の島を短時間で巡るのは難しいことから、「島ごとに、交通費と鑑賞券がセットになった割引チケットがあれば、行きやすいのに!」といった改善案(という名の希望?)も飛び出します。

後半は、アーティストの視点や、「自分の住んでるまちで芸術祭があったらどう思う?」という視点も交えて話し合いました。

最終的に「アートは誰の何のためにあるのか?」という問いをめぐって、アーティストにとってもその土地に住む人にとっても「アートは自由のためにある」ことが確認されました。

しかし、今回瀬戸芸だけでなく他の芸術祭も比較対象として話題にあがるなか、なかには、その大きな経済効果のため本来の目的が見失われてしまうことや、逆に、交通機関の維持や観光など地域のために行った芸術祭がきっかけでアートに関心のなかった地域の人がその魅力に気づくこともあることがわかりました。

IMG_4265

今秋には、この哲学カフェをしている岡山市のカルチャーゾーンでも芸術祭が開かれます。(→岡山芸術交流

今回の対話をとおして、より多様な視点で芸術祭を楽しむ準備ができたような気がします。

岸井大輔さん、瀬戸芸に行くついでに立ち寄ってくださった遠方の方、岡山のお馴染みさん、ご参加いただきありがとうございました。

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