四国遍路への憧れが心の片隅にずっとありました。ただの旅気分とも違うのですが、信仰心からというわけでもありません。そしてこの本に出会いました。私はこれを読みながら不覚にも何度か涙をこぼしそうになりました。自分自身の底の浅さを見透かされたような気もしました。

この本の各節の表題は、「歩く」とか「突き破る」とか「ゆだねる」などと、すべて動詞です。これは、著者が遍路を通して動詞を大切にすることを学んだからだといいます。動詞は人の体や心の動きに寄り添っていて、等身大で、具体的で、行動的だからです。抽象名詞を乱発することで深遠なことを説いたつもりになっている講壇哲学者たちとは姿勢が違うのです。

遍路には、のびやかな身体感覚と、それを包み込む宇宙感覚とが共存しています。私も歩き遍路をしてみたいと本気で思うようになりました。ぜひご一緒に、身体で哲学する「歩き遍路」を味わってみませんか。

○日　時： 10月17日（日）14:00-16:00
○場　所： web環境の整ったお好きな場所で（zoomを使用します）
○題　材： 辰濃和男『四国遍路』
○紹介者： 佐々木能章さん（東京女子大学）
○コーディネーター： 廣井 泉（カフェフィロ）
○参加費： 2,500円（資料付き、事前のお支払いをお願いしております）
○定　員： 15名程度（要事前予約、参加イベント名 「四国遍路」と氏名をフルネームで明記してください）
○参考図書： 辰濃和男『四国遍路』岩波新書
○備　考：事前に読了されることをおすすめします
○申込み：hiroizum@cafephilo.jp （廣井）