「民主主義は最悪の政治と言える。これまで試みられてきた、民主主義以外のすべての政治体制を除けば、だが」。イギリスの政治家でノーベル文学賞をも受賞したチャーチルは、かつて民主主義の逆説をこう表現しました。古代ギリシアのアテナイで生まれ、現在の私たちにとってほぼ自明な「デモクラシー（民主主義）」は、なぜ「最悪の政治」なのか。そして、とはいえなぜ民主主義はそれ以外のすべての政治体制よりもマシなのでしょうか。

今回のカフェフィロ哲学ゼミでは、２回にわたって政治哲学の観点から民主主義を点検します。私たちが一市民として様々な社会問題にコミットするための準備運動として、です。前半は民主主義と政治のこれまでの歴史を「そもそも」の基本から学び、後半では来るべき民主主義と政治の未来を展望します。民主主義については、「分かっているようで分かっていない」「どうも自分が主権者だとは思えない」と感じている方も多いのではないでしょうか。ぜひこの機会に整理してみましょう。

両日ともたんなる受け身の講座ではありません。専門家によるレクチャーと時間をたっぷりとった対話による２部構成です。対話の時間はNSD（ネオ・ソクラティック・ダイアローグ）方式を用いてゆっくりと進めていきます。カフェフィロ哲学ゼミの特徴は、「聴く」「話す」「考える」をバランスよくじっくり行なうことにあります。

１回目は、「政治」のそもそもから始めて、デモクラシーの定義とその批判についての基本を学んだあと、リベラルデモクラシーの系譜をたどり、民主主義を使いこなすための条件についてレクチャーしていきます。そのうえで２回目では、熟議民主主義の可能性と困難について詳しく学んだあと、闘技民主主義やラディカルデモクラシーといった現代政治理論の最前線についても紹介します。

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●デモクラシーを考える！　第１回 デモクラシーとは何か

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近年、先進国では、グローバリゼーションや移民問題をめぐって、トランプ政権やBrexitという形で「ポピュリズム」が台頭し、デモクラシーが形骸化しつつあると言われます。前半のレクチャーでは、政治哲学の観点から、デモクラシーの歴史と現在をとりあげます。後半の哲学対話では、身近な話題も視野に入れて丁寧に問いを立てながら、デモクラシーについて探究します。国会の出来事に限らず、タウンミーティングや裁判員制度、町内会の運営など、集団の意思決定はいずれも「デモクラシー」の問題です。いまさら聞けないデモクラシーとはそもそも何かということに興味のある方、いわゆる日本的な集団のあり方について気になっている方やすでに問題を抱えている方、ぜひご一緒にデモクラシーについて問いを深めましょう。

○日　時：2月23日（土）9:30-16:30
○会　場：エセナおおた 第２学習室　http://www.escenaota.jp/map.html
○テーマ：デモクラシーとは何か
○参加費：6,000円（カフェフィロ会員は5,000円）
○講　師：島内明文さん（東京大学）
○進　行：廣井　泉（カフェフィロ）
○定　員：20名（最少催行人数10名）
○備　考：件名に「哲学ゼミ2/23申込み」とお書きいただき、お名前と連絡先を明記の上、下記までお申し込みください。参加費は前納制となります。
○申込み・問い合わせ：info@cafephilo.jp （カフェフィロ事務局）

＊カフェフィロ哲学ゼミとは・・・哲学カフェよりもう少し専門的に、でも大学の講義やカルチャーセンターの講座よりもっと対話的に、街中でみなさんと共に作りあげるのがカフェフィロの「哲学ゼミ」です。いままさに考えなければならないホットな話題を共有し「私たち」の課題とします。レクチャーと対話の2本立ての充実した内容で、時間をかけてじっくりとテーマに向き合います。